ツーリングレポート 下北半島ツーリング PART3〜千円高速を利用して下北半島に行ってみた+三内丸山遺跡訪問〜 訪問日:2010年11月中旬 掲載日:2010年12月14日 |
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昨日と同じくR338海峡ラインで下北半島西岸を南下していきます。 | |
無人地帯が多くて、ほんといい感じ。 | |
この茫漠たる景色が続いているのがいいですねぇ。最果ての風情があります。 | |
海峡ラインという名ですが、割と標高高いところを走ることが多くて、山がちな道です。峠道も立派に整備されています。 | |
見下ろすと旧道のつづら折れが見えました。昔はあんな道を走ってたんですね。 | |
野平集落にやってきました。人家はほとんど見当たりませんが、広大な高原では放牧や高原野菜の栽培が行われているそうです。 |
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廃屋がポツリポツリある寂しい原野、ふと道端で気になったのがこのブロードバンド整備事業の看板。2010年までにブロードバンドゼロを目標に総務省主導で補助金出して全国的にやってるようです。確かに距離が遠くてADSLはキツイでしょうが、そもそも人がほとんど住んでないような・・・。 | |
野平高原です。 | |
野平から主要集落の川内までは県道253経由の方が近いので、国道の交通量は僅か。暫くは無人地帯をウネウネと走ります。 | |
十数年前に工事中だったところ。今はすっかり舗装されて綺麗な道になっていました。 | |
ほぼ独占状態。お隣り津軽半島の竜泊ラインほど超絶凄い道ではありませんが、観光バスの多い竜飛と違ってすいているのが良いです。 | |
自分的には下北半島はこのR338海峡ラインと、県道46かもしかラインだけ走れば十分な気がします。 | |
脇野沢で海に出ました。一応県道175で終点まで行ってみます。特に何もないですが、何となくいい雰囲気の道でした。 | |
県道175の終点。岬までの遊歩道は崩落通行止めでした。 | |
さて、あとは陸奥に向かって走るだけ。海沿いの道は爽快ですが・・・ | |
やはり次第に車が増えて、長い車列について淡々と走るだけになってしまいます。街と街の間の距離がベラボウに長いだけにつまらない、退屈・・・眠い・・・。 | |
ほんの少しですが国道と並行して山側に広域農道が出来ていました。こちらは周囲に人家も無くハイペースで走れる快走路。高速道路なんか不要なので、田舎はこういう道を増やせばいいと思いますね。建設費は高速道路より一桁か二桁安いと思いますし。 | |
むつ市街に入りました。全国チェーンの店が集結して栄えている様子。 ・八戸や青森といった都市から遠く高速道路も無いのでストローされてない ・下北半島は広大な土地に小規模集落が点在していて他に核となるような商業集積地・人口密集地が無い といった理由で、むつへの集積が進んでいるのだと思います。 |
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てことで下北半島の西岸の部分は前述の通り快走路なのですが、陸奥市街〜青森市の主要国道がカッタルイのです。山側に広域農道みたいな道が欲しい・・・。 | |
国道4号線に入りました。先頭が見えない長い車列に加わって淡々と走ります。眠い・・・。 夏だったら八甲田山経由とかにするのですが。 |
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青森市街の外れにある三内丸山遺跡にやってきました。朝、大間町を出発したのに、もう夕方近くですよ、下北半島遠いなぁ、&、11月は日が短いなぁ。 駐輪場は駐車場の入口付近にあって無料でした。 それどころか入場料まで無料でした! |
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まず巨大な博物館に圧倒されます。こんな立派な博物館が無料とは! 「三内丸山遺跡を世界遺産へ」という看板があちこちに掛かっていました。この日も見学者は一杯いましたが、もし世界遺産に登録されたら、さらに訪問客が増えるでしょう。 |
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年間入場者数は30万人超、累計で600万人近いといいます。青森県がこの遺跡に掛ける情熱は並々ならぬものがあるようです。 うーん、しかし遺跡の内容としては茅野市の尖石遺跡を初めとする「八ヶ岳山麓の縄文遺跡群」も負けていないというか、贔屓目に見ると上なんですよね、って贔屓目に見るなw。 (繁栄した時代が長いので八ヶ岳の方が文化的に発展していると思う:土器なども凄いものが多いし国宝の土偶もあります。それどころか御柱祭りなど縄文発祥のお祭りですしね) |
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八ヶ岳山麓の集落とも交流があったことを示すパネル。霧ケ峰の黒曜石(ガラスみたいに鋭くて矢尻などに使う)が青森にも輸入されていたことが解説されていました。 縄文時代、既に全国的なネットワークが出来ていたのです。 |
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最近出来たという展示室。まあ茅野市の尖石博物館ほどではないものの(笑)、出土品と解説が充実していて素晴らしかったです。 | |
縄文時代前期約5500年前の針です。重文です。既に精巧な針が作られていたんですね。 | |
出土した時の数々。白い部分は補修箇所。 | |
外に出るとすっかり夕方でした。広大な敷地に建物が復元されています。 | |
こんな大型の建物があったんですね。縄文人スゲー。 | |
しかし考古ファンならともかく、一般人だと縄文時代の遺跡をどう楽しんだらいいか判らないという人も多いと思います。私も特に考古ファンでは無いので、縄文の聖地「八ヶ岳の裾野」に住むまでは、どう楽しんだらいいか分かりませんでした。。 てことで素人考えで申し訳ございませんが、こういう風に見ると縄文文化は面白いという例を挙げてみたいと思います。素人解説です、ホントすみません。 |
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えと、最初は土偶から。 | |
初期の土偶です。板状土偶とよばれ、まだ平面ですね。 | |
大型板状土偶(ちょっと恐いよ) |
大型板状土偶。重文であり三内丸山遺跡のメイン展示の一つです。縄文時代中期4500年前の作とされています。 こういった土偶が・・・発展して・・・ ↓ |
亀ケ岡のシャコちゃん(宇宙人みたい) |
こうなったり。 これは青森県の亀ヶ岡遺跡で明治19年に発掘された遮光器土偶「シャコちゃん」です。実は現物は青森ではなく、東京上野の国立博物館に収蔵されています。発見が早すぎたので東京に持ってかれてしまったと思われます。(先日国立博物館に行って撮影してきた。ちなみに珍しく両方とも撮影可) 重文ですが何時か国宝指定される日が来るだろうと想像しています。 |
次は土器です | |
これは三内丸山遺跡で発掘された土器です。ただ「縄文」つまり縄目の模様をつけただけの土器から、次第に装飾が施されていった様子が伺えます。 これが発展すると↓ |
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新潟県十日町市笹山遺跡 火焔型土器 |
って発展しすぎwwまるで現代のポップアート!? えっと、これも上野の国立博物館で撮影してきました。新潟県十日町市笹山遺跡から出土した火焔型土器です(国宝)。 こういった火焔型は新潟県で特に流行ったのだと思います。八ヶ岳周辺ではナウシカに出てくる飛行ポッドみたいなのがあったりしますし、各地でユニークな土器が制作されています。 |
こうやって比較すると、文化的にユニークな変化・進化を遂げていることが分かります。縄文人というのはかなり芸術性に富んだ人種だったようです。比較的質実剛健というか普通な感じの弥生時代の物よりもユニークな物が多く、見ていると楽しいです。 このように日本全国で栄えた縄文文化、北海道や青森で栄えていたこと残ることからも判るようにこの時代は非常に温暖でした。ところが縄文晩期に入ると急速に寒冷化が進み、縄文は衰退していきます。恐らく寒冷化を受けて一部の人間は南下していったのでしょう。越や出雲へと移り住んだ人達も居たと思います。 一方で南方、中国大陸や朝鮮から稲作を携えた新しい人達が九州や出雲へと入ってきます。 両者の出会い、これこそが新しい日本の始まりです。稲作はあっという間に日本列島に広まって行きました(青森県内でも稲の化石が出土している)。時代は縄文から弥生へと移っていきます (なんちゃって)。 ・・・・・・ さて、脱線してしまいましたがツーレポに戻りましょう。 縄文時遊館を出ると丁度日没でした。 |
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出来れば青森で一泊していきたかったのですが、日曜日の間に高速に入らないと千円になりません。仕方なく高速に入ろうとして忘れ物に気づきました。「カッパを家に忘れた・・・」 うむむ、今夜の天気予報は時々雨。気温は5℃、山間部では2℃位まで下がるでしょう。万が一ビショビショになったら致命的です。 仕方なくGSの人に場所を聴いてホムセに駆けこんで千円の安物カッパを購入。 おかげで青森IC出発は午後7時頃になってしまいました。もう少し早い時間に奥羽山脈を越えておきたかったのですが・・。 |
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青森〜秋田〜岩手県境はやっぱり寒かったです。とりあえずノンストップで盛岡まで走って凍結は回避。あとはのんびり走っていきます。菅生まで来れば一安心。雨にもほとんど降られませんでした。 | |
やはり長距離の夜間走行で疲れたのでしょう。栃木県内のSAで机に突っ伏したまま仮眠して、起きたら朝でした。出来れば空いている早朝の内に首都高を抜けたかったのですが・・・ 凄い大渋滞で泣きました。C2板橋JCT付近なんかほとんど動いて無かったですし。 |
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山手トンネルから3号線へ。噂には聞いていましたが11月の朝なのにココは暑かったです。夏は50℃になるとか・・・。 | |
朝8時東名川崎ICを通過。なんとか家に帰りつきました。しかし夜間走行は疲れるしツマラナイですね。千円高速を利用するためには仕方ないですけど ・・・と思ったのですが、後で調べると実は、この日(月曜日の平日)は特例で高速千円の日だったのです。 ウガーやられたー。それだったら青森で一泊して、月曜昼間に景色を眺めつつ帰ってくれば良かった!失敗したぁぁ。 |
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最後にちょっと失敗してしまいましたが、夜通し走るしんどさを除けば楽しい旅でした。各地方の色々な風景、いろいろな風土を見ることが出来ましたし。 下北半島については、走る楽しさだけならR338海峡ラインとかもしかラインだけで十分な気がします。自分が次行くとしたら、そこしか走らないと思います。 とはいえ、もし下北半島初めての方でしたら、やっぱり一周が妥当だと思います。今回は行きませんでしたが恐山などの興味深い(けどまあ一回行けばOK的な)観光地もありますし。 今後の自分の東北ツーリングについてですが、以前レポで紹介した川井住田大規模林道でその後に新規開通した区間もありますし、地震があった栗駒周辺も復旧しつつありますし、まだまだ未訪問箇所が一杯あります。一応一番遠い下北半島は今回制覇したので、あとはさほど遠くない所ばかり?。何回かに分けて少しつづまた訪問していきたいと思っています。 てことで次の旅でお会いしましょう。ではでは。 |
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