ツーリングレポート

飯豊連峰一周ツーリング

〜残雪残る飯豊(いいで)連峰一周、樽口峠から飯豊連峰を眺め、R459を走る〜

訪問日:2011年6月14日 掲載日:2011年7月

プロローグ

3月に北関東道自動車道が開通し、信州から東北へ行きやすくなりました。
そこで、たまには少し変わったところへということで、南東北の辺境の地(失礼)、
新潟・福島・山形の県境に当たる飯豊連峰を一周してきました。


樽口峠から飯豊連峰を眺めます。
さすが東北の豪雪地帯!6月も半ばというのに雪がたっぷり!

蓼科〜佐久平PA〜上信越道〜藤岡JCT〜関越〜高崎JCT〜北関東道〜東北道〜矢板IC〜R4
AM1時40分に佐久平PAのETC出入口から上信越道に入りました。(本当は下仁田ICから乗る予定だったのがR254内山峠が朝まで事故通行止だったので迂回)
関東平野に入ったところで前方に稲妻が走りました。時速80km/h位でノロノロ走ったのですが、結局雷雲に追いついてしまい雷雨に突入。雷に打たれたら死んじゃう!
稲妻に恐怖して2時間ほど北関東道のPAで仮眠することにしました。
夜明けです。雨も上がってくれました。
東北に向かってGO!
東北道に合流です。
本当は会津若松まで高速で行きたいところですが、節約の為に矢板ICで降ります。
早朝の国道4号線は大型トラック&トレーラー街道でした。小さいバイクで走っていると踏み潰されそう。
県道30〜那須高原〜R289甲子トンネル  
そこで県道30号線にエスケープ、那須高原を通って北上することにしました。那須高原も早朝なので空いていました。
よく分からない別荘地の立派な道を抜けたりしつつ
R289甲子道路にやってきました。
トンネルの隣にもう一つ古くもない廃トンネルがあります。変形著しく、7年しか使わずに廃止されてしまったトンネルです。
近代土木技術をもってしても、こういったことは起り得るというのは覚えておきたいところ。(参考:山行が様のレポ
全長4345メートルの甲子トンネルへGO!
甲子トンネルを抜けたら土砂降りでした。雨に降られたのが会津側で良かったです。さすがに福島県の「中通り」でズブ濡れは避けたい・・・
会津若松、喜多方を通過し、R121大峠道路で山形県へ向かいます。
天気の方も雲は多いですが回復基調。

なお本当は西吾妻スカイバレー(元有料)経由を考えていたのですが、雲の中だったので回避しました。
大峠〜山形県道4号線〜県道8号線〜小国  
大峠トンネルを抜けて山形県入、峠から下ってきたところで県道4号線に入ります。
非常にマイナーな道です。ここをツーリングしてきたという話はあまり聞いたことがありません。果たしてマトモに通れる道なのでしょうか・・・?
おっ、いい道!最近は過疎地でも生活道路になっている区間は改良されていることが多いです。
峠を一つ超えると、のどかな田園風景が広がりました。山形県の川西町です。
更に西へ向かい、菅沼峠という小さな峠を超えます。峠付近は少し狭くなってしまいました。道幅は1.4〜2車線といったところ。取り回しの悪い大きめのバイクや3ナンバー車だと少しキツイかもしれません。
本当に緑と水以外に何も無いところです。
何も無い!

・・・だがそれが良い!!

という方には、いい道だと思います。
大規模林道 飯豊・桧枝岐線の入口があったので入ってみました。大規模林道の飯豊トンネルは山形・福島県境を貫く数少ないトンネルです。トンネル自体は完成しているのですが、福島県側にあと数キロ工事中区間(ほぼ凍結状態)が残っていて未だ通行不可となっています。
山形と福島を結ぶ道は現状大峠と白布峠の二つだけ。大峠は幹線道路でさほど通りたい道ではありませんので、飯豊トンネルが出来るとルートが組みやすくなりそうです。
今回はその様子も調査してみたかったのですが、まだ手前で冬季通行止めでした。6月中旬なんですが・・・。
更に県道8号線で西へ進みます。
道路脇には昔は集落があったのでは?と覚しき平地が点在しています。まさに過疎地。街から遠くはなれた山奥の豪雪地帯ですからね。


特に特徴はないですけど、人里離れた風景が続きます。
恐らくこの辺り冬季積雪は5mを超えるのではないでしょうか。
その積雪が人の気配を薄めているような気がします。
県道8号線から県道15号線に乗り継いで西へ向かおうと思っていたのですが極楽峠が通行止め。小国の街に出て、国道113で西に向かうことにしました。
紅葉で有名な小国の赤芝峡ですが、国道を走る分には駐車スペースも余り無いし、ゆっくり景色を見ることが出来ませんでした。旧道を探索しようとしましたが遊歩道化されていましたのでバイクでは入れず。赤芝峡をちゃんと楽しむならハイキングする必要がありそうです。
赤芝峡〜樽口峠〜飯豊温泉  
国道から立体交差を潜って県道15号線に入り、飯豊温泉を目指しました。
県道15から県道260に入りました。意外にも県道260は結構良くて、快適です。
前方に巨大な山脈が見えてきました。飯豊連峰です。
泡の湯を一旦通りすぎて樽口峠に登っていきます。峠の前後はかなり狭く、特に峠の北側は極狭路です。ツーリングマップルではお勧めルートになっていて狭路や悪路といった注釈はされていませんが、大型バイクや四輪は注意が必要でしょう。

登るに連れて視界が広がりました。飯豊連峰がその姿をあらわに!
樽口峠の手前に広い駐車場がありました。ここで暫し休憩。






これが飯豊連峰か!
今まで、あまりマトモに見たことのなかった巨大山脈を見ることが出来て感激もひとしお!
樽口峠から北側に下る道。かなり狭く、カーブミラーも足りていないので、狭い道が好きな人以外にはお勧めしません。狭い道が好きでない人が樽口峠を目指すなら、泡の湯〜樽口峠を往復した方が良いかもしれません。そちらの区間は草原になっていて見通しが良く安全性が上だと思います。
飯豊温泉へ向かってみることにしました。沢伝いに奥へ奥へと入っていきます。

国民宿舎飯豊梅花皮荘の駐車場から。いい景色ですね。
やはり豊富な残雪と新緑のコントラストが映える6月が、飯豊らしい季節ではないでしょうか。
時間があったら温泉を楽しんだり、一泊してみたいと思いました。
公式:http://www.siroimori.co.jp/index.html
老舗HP温泉ミシュランのページhttp://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/iide_kawairi/iide_kawariri.htm
さらに奥へと進みます。
終点に到達。残念ながら視界は広がりません。
遊歩道は色々と整備されているようで、ハイキングすれば飯豊連峰や雪渓も見えてくるらしいのですが、残念ながら日帰りなので引き返します。
泡の湯  
ツーリングマップルに日本有数の炭酸泉と記述がある泡の湯に入ってみました。泉質はいいのですが、源泉槽は狭めで、のんびり浸かれるのは3人位までだと思います。休日等はちょっと気軽に入れないかも。大浴場の方は沸かし湯のようです。

自分の二大温泉指標は「泉質」と「利用しやすく気軽に入れること」なので、飯豊温泉の方に入ってみれば良かったかなと思いました。
県道272〜北蒲原東武広域農道  
R113で新潟県に入り、県道272、県道494、北蒲原東武広域農道、県道202、県道14と繋いで南下していきます。特筆すべき景色等はないですが、道もまあまあ良くて交通量も少なく、ツーリングには良いルートでした。
国道49から国道439へ  
国道49号線に入って、今度は東へ進みます。右手に見えるのはダムで川幅が広がった阿賀野川です。
国道49は交通量の多い幹線道路なので、国道439号線にエスケープしました。

国道439号線はツーリングマップルではおすすめルートに指定され、「変化に富んだ絶好のツーリングコース」と記述されています。果たしてどんな道なのでしょう?
本当に「変化に富んだ絶好のツーリングコース」なのでしょうか?疑問半分興味半分で走りだしたのですが・・・
橋やスノーシェッドが連続。
何だこの道はw
味がありすぎ。
トンネルを抜けるとスノーシェッド。
バラエティーに富みすぎです。この道、結構面白いかも!?
手掘り隧道。
多様な橋梁、近代的なトンネルから、素掘り隧道、長大スノーシェッドまで、いろいろな道路施設が連続して現れて飽きません。
時々集落が現れます。豪雪地帯のこの地の集落にとってR439は生命線なのでしょう。だからこそ、ああいったトンネルや長いスノーシェッドで道を守っているのだと思います。
長さ1300mメートル。近代的なトンネルもありました。今は古い道と、改良区間が半々位ですが、何十年か後には全線近代的な道に生まれ変わってしまいそう。住んでいる方には申し訳ないですが、旅情としては今くらいが丁度いい感じのような気がします。極端に走りにくくもないですし。
途中で磐越西線と並行して走ります。
バラエティーに富んだ橋も沢山!確かにR439は変化に富んだ道でした。
磐梯吾妻スカイラインみたいな凄い景色やダイナミズムはありませんし、狭くて路面状態が悪い箇所も沢山ありますが、味があって、良いツーリングルートだと思います。もう一回、今度は逆方向で走ってみたい。
凄い急カーブ
初心者の人は連れていかない方がいいかも。
途中で大規模林道飯豊・桧枝岐線の入口を見つけました。時間が無いので調査は次回に持ち越し。将来的もし飯豊トンネルが供用されたら調査してみたいと思います。
宮古集落を通過。そばの里として有名な集落です。国道沿いに数十件の蕎麦屋がひしめいていて、看板や旗も一杯出ていてびっくりしました。
もう夕方で時間がないので残念ながらパス。
ちょっと道が良くなったと思ったら、
あっという間に狭路に変化。非常に長く、走りごたえタップリの道です。あー面白かったw
喜多方に入り、朝に走ったR121(大峠道路)に突き当たって飯豊連峰一周は完了です。一日かかってしまいました。
桧原湖畔まで登って磐梯山を望みます。もう帰らなければ・・・
・・・ってこれから信州!?

その後は猪苗代から県道8、R294、R4と走り、矢板ICから高速に乗ってETC深夜割引を使って帰りました。帰着は午前2時トホホ。スケジュールが強引すぎましたし、見所をあまりじっくり回れなかったので、次回は一泊したいと思います。皆様もスケジュールには余裕をもって計画を立ててくださいね!その方がより楽しめると思いますよ!

☆☆☆

てな訳で、いかがでしたでしょうか飯豊一周。南東北というとやっぱり裏磐梯が横綱ですが、ちょっと行きすぎて飽きてきたかなって方は、たまには人里離れた辺境エリアを走ってみてもいいかもしれません。
ちょっと変化を求める人にお勧めのツーリングルートでした。

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