上信スカイラインで毛無峠へ

〜特異な風景の峠と破風岳のお手軽登山〜
 
訪問日:2006年7月4日  掲載日7月24日

特異な景色で知られる毛無峠。長野県と群馬県の県境にある峠なのですが、群馬県側は廃道になって久しく、今や道の痕跡さえないと聞きます。行き止まりの道ゆえに、訪れる事も無かったのですが・・・。

相互リンク先の、「峠と旅」「ダー岩井の写真館」「消失点より」といったサイトの方々が魅力的なレポを発表しているのを見て、行ってみることにしました。

では、VTRスタート!

嬬恋パノラマライン  
まずは蓼科を発って北上し、嬬恋村へ。
深い緑を縫って、パノラマラインを走ります。

立派な道ですが、例によって誰も居なくて・・・快走!

志賀草津道路  
続いて志賀草津道路を走ります。森を突き抜けて空へと迫っていきます。
草津白根山。今回は道傍から眺めるだけで、先を急ぎます。

↑改めて地図を見ると、このあたりは見所、走り所、温泉が一杯ありますね

上信スカイライン(県道466号線+県道112号線)  

万座温泉を経由して上信スカイラインに入りました。道幅は1.5車線位ですが、尾根筋を走るので見通しが良く、舗装もきれいで(マイナー路線にしては)走りやすかったです。ダケカンバの眩しい緑を眺めながら、気持ちよく走ることが出来ました。

なお、万座温泉を過ぎてすぐ左側にビジターセンター・公衆トイレがあります。この先トイレは全くありませんので、寄っていくのが吉でしょう。

毛無峠  

さて今日のお目当ては毛無峠です。分岐はここ。鋭角に左折して県道112号大前須坂線に入ります。
(なお、この写真は一旦行き過ぎてから振り返って撮影しています)

上信スカイラインはこれまで何度も通ったことがありますが、毛無峠へ行くのは初めてです。いったいどんな道なのでしょう?

さすがに幅も狭く、落石がゴロゴロしている上にカーブミラーも不足気味。トレッキング気分でゆっくり走ります。

数分程走ると森を抜けて、視界が開けてきました。

まるで森林限界を超えたような風景が広がっていました。深い山が続いています。
程無く毛無峠へ到着。
峠付近は広場になっていて、嬬恋盆地、浅間山を眺めることが出来ます。

 

峠から先の道はダートで立入禁止となっていました。一応小串鉱山までは(ゲートを突破すれば)行けるようですが、その先は廃道になっているそうです。
ちなみに、この道の名前は県道112号大前須坂線。大前とは嬬恋村の地名、須坂は長野県の地名です。将来的に群馬県と長野県を繋げる道になれば面白いと思うのですが・・・、長野県から群馬県に問い合わせたところ、工事を進める予定は無いとの回答が帰ってきたそうです。残念!

やはり、この辺には人が住んでいないのがネックなようです。さほど険しい地形とも思えないのですが、日本でも最も人口密度の低いエリアのような気がします。そういった特異性が、毛無峠からの景色を印象深いものにしているのかもしれません。

小串硫黄鉱山跡  
峠の先には昭和46年に閉山された小串鉱山の跡があります。最盛期には2000人もの人が住み、学校や映画館まであったそうですが、今は寂しい荒野と化しています。

 

峠を越える索道の鉄塔だけが、その頃の様子を物語っていました。印象的な風景です。
破風岳  
毛無峠の脇にそびえるのが破風岳です。登山ガイド本によると、所要40分位で、景色も良いとか。せっかくなので登ってみることにしました。
遭難多発区域だそうですが、まあ山頂も見えているし、大丈夫でしょう。
笹に覆われた登山道を登っていきます。踏み跡ははっきりしてる・・・というより、これは草刈り機で整備しているようですね。道がはっきりしているので、霧に巻かれても大丈夫そうです。

40分程登ると山頂が見えてきました。
破風岳山頂に到着です。
山頂からの眺めもGOOD!
さらに身を乗り出して下を覗き込むと・・・。ヒエェェェー、凄い絶壁です。
破風岳の標高は1999メートル。惜しい!あと1ートルあれば・・・。

登山中、出会った登山者は1名だけでした。景色も良いし、標高2千メートルあれば、もっとメジャーな山になると思うのですが・・・。

でも、たった40分程で登れるお手軽な山にしては、景色も変化に富んでいて、面白い山だと思います。お勧めです。

再び上信スカイライン  
さて、再び上信スカイラインへと戻りましょう。
上信スカイラインは数年毎に通る機会が有って、昔から名前負けしている道だと思っていたのですが、通る度に改良が進んでいるようです。
この辺りは舗装も新しく、気持ちよく走ることが出来ました。実は当HPの昔の記事を見ると、お勧め度が「無し」になっているのですが、現在は星2つあげてもいいかなと思いました。

さて、下るにつれて天気が悪くなってしまいましたが、梅雨の合間にこれだけ青空が見えれば上々です。雨が降る前に帰ることにしましょう。

   
毛無峠ですが、行き止まりゆえの茫漠たる景色が印象的な、独特の風景が広がっていました。破風岳からの眺めも特異なものがあって楽しかったです。平行して走る草津志賀道路に隠れてマイナーな存在だった上信スカイラインも改良が進んで楽しく走れましたし。割とお手軽に独特な山行きが楽しめる場所だと思います。皆さんにもぜひ訪れて欲しいと思います。

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