南紀一周ツーリング&ハイキング? 1日目

行き先を巡る逡巡
 待ちに待ったGW。さて、どこに行こう?
 四国に行きたい、とは思っていたのですが、今年のGWは前半3日、後半4日しかありません。最終日は休養日に充てたいので、連続して休めるのは実質3日です。前半と後半を繋げればともかく、ちょっと四国は無理そうです。

 四国が無理なら紀伊半島がイイな。関東地方よりは暖かいはずだし。どれどれ、天気予報は・・・

 TBSのメッシュ予報をみると・・・九州から関東までは雨or曇り。ダメじゃん。
 晴れているのは東北と道東だけです。
予定変更して東北に行こうか?


 より晴れそうなところに行くというのが、ツーリングの鉄則。だと思うのだが・・・・・。
 去年も一昨年も、いや昔からGWは東北に向かっていたような気がする。「気がする」と言うのは、このホームページを作り始める前の旅行については記録が残っていないので、いつどこへ行ったか覚えてないのだ。このホームページを見ると自分がいつ、どこへツーリングしたか書いてあるのでとても便利だ。それはともかく、どうせ東北(山のほう)に行くなら新緑の季節(5月下旬くらいかな?)にしたい。よって今回はパス。

 うーん。どこに行こう?

出発
 夕方、カプチーノにテントと寝袋とポンチョを積んで、行き先を決められないまま取り敢えず走り出す。246号を西へ。空いている。

 実は前々から紀伊半島の大台ヶ原に行きいと思っていた。数年前に大台ヶ原ドライブウェイを走ってオープンエアードライブを堪能したことがあったのだが、そのときはフツーの靴だったので車から降りて歩くことはしなかった。大台ヶ原には原始の森が残るという。そう聞いて1度は歩いてみたいと思っていたのだ。歩いてみたいぜ大台ヶ原。雨でもイイや。

よし!第一目的地は大台ヶ原に決定!

 午後9時頃、厚木インターから東名にのる。ガラガラ。こんなに走りやすい東名高速は初めて。120をキープしたままひたすら西へ向かう。
 
 パトカーには3台も遭遇。GWは、かきいれ時らしい。清水のあたりで怪しいなと思い少々減速しつつも覆面を追い越してしまい、冷や汗をかく。

川崎から大台ヶ原まで約600キロ
全部高速使えば6時間と思ったけど、
節約根性が顔を出し、岡崎ICで降りてしまうなどして、
結構時間が掛かってしまった

  午後11時半頃、岡崎ICで降りて国道1号線へ。国道23号線で名古屋市内を通過し、亀山ICからは名阪国道(無料)を使用。いつのもルートだ。針ICで降り、国道369、166、370号と乗り継いで南下する。前を走る車は皆無。ちょっとしたワインディングで快適に走ることができた。午前3時頃国道169号線に入る。

 国道169号は紀伊半島を南北に貫くメインルート。それだけに交通量はそこそこ。休日の夜は釣り人やハイカーの車も多い。しばらくは単独行で中高速コーナーが続くワインディングを快調にとばすが、前の車に追いつき、さらにトラックに追いついてしまってのろのろ運転を強いられる。峠のトンネルの手前で右折し、大台ヶ原ドライブウェイへ。

 大台ヶ原ドライブウェイは1.5車線幅の舗装林道って感じの道だ。晴天の昼間ならば素晴らしい景色が楽しめるのだが、残念ながら夜中である。真っ暗闇で何も見えない。舗装が荒れているのでゆっくり走るが、それでも3回ほどギャップでフルバンプしてしまった。カプチは純正サイズの65タイヤなのでよいが、50扁平タイヤあたりをはいているとホイール曲がっちゃいそう。

 午前4時頃、大台ヶ原の駐車場に到着。川崎からの走行距離は約600キロ。思ったより時間がかかってしまった。駐車場は4割くらい埋まっている。ちょっと寒いが、エンジンはかけずに(環境破壊だし)ダウンジャケットを羽織って寝る。

大台ヶ原にて
 7時半頃目が覚める。外は小雨。雨具をどうしようか一瞬迷うが、傘を持っていくことにする。思ったより寒く、ダウンジャケットにポンチョを羽織って出発。とりあえずトイレのそばに「自然探索路入口」の看板があったので、そこから山に入る。が、これは失敗だった。シオカラ谷へのルートは急峻な谷をひたすら下っていく。200メートルほど下ったところで、沢を吊り橋で渡り、今度は急な登り。200メートルといえば超高層ビルの階段を上り下りしたのと同じ。アップダウンに1時間以上格闘、しかも防寒装備が過ぎて汗びっしょり。ヘロヘロになってしまった。気温は10度くらいだったと思うが、長袖のシャツにウインドブレーカーを羽織るくらいがちょうどよさそう。

モミとブナの森を歩いていく。残念ながらブナの新緑はまだであった。
大台ヶ原は尾鷲の海岸から直線距離で20km程しか離れていないからもう少し暖かいだろうと予想していたのだが、以外に寒い。雪こそないが、関東の1500mクラスの山と季節感の差はない気がする。

牛石が原は霧に包まれてモノトーンの世界。幻想的だ。
例によって?周囲に人はいない。素敵だ。
晴れればもっと素晴らしい風景が見られたとは思うが、雨の多いところだけに、ある意味大台ヶ原らしい風景といえるかもしれない。

 残念ながら、霧が深かったので有名な大蛇ーへ行くのは断念。牛石が原から駐車場まではアップダウンも少なく、気軽に散策出来た。ハードなコースはイヤだという人は、駐車場からビジターセンターの脇を抜けて、牛石が原を経由し、大蛇ーに行くルートをお勧めする。ふつうの運動靴で十分歩ける。

激変する森
 切り株が見事な苔に覆われている。
 解説板に、「このあたりは昔コケに覆われていました。今は笹に覆われています。何故でしょう?」とある。おそらく、昔はもっと木が立ち並び鬱蒼とした森だったのが、だんだん木がまばらになり、日光が下までとどくようになって苔が無くなってしまったのだろう。正解は多分ビジターセンターにあると思うが、工事のために休館中で知ることは出来なかった。
 それにしても倒木や立ち枯れた木が多い。多すぎる。鹿の害が言われているが、それだけではない気がする。太古の森の姿を残すと言われる大台ヶ原一帯だが、極相林という印象は受けなかった。激変しつつある森だと思った。

11時頃に駐車場に戻る。今回は残念ながら冬枯れた風景しか見ることが出来なかった。次回は是非!緑の季節に訪れたい。

大台ヶ原ドライブウェイ
標高1600メートルから800メートル位まで一気に下っていく。下の方は新緑のトンネルになり、とてもきれいだった。もうすこし後に来たかったなぁ。

国道169号線
 169号を南下。霧雨に山が霞んでいる。ちょっと幻想的な風景。この辺りは日本有数の多雨地帯なので、いつ来てもこんな景色のような気がする。雨とあって交通量が少なく走りやすい。
 ダム湖の橋のほとりで一息。早くも午後1時だ。それに今日はテント泊の予定なので、早めにキャンプ場を探さなくては。
 地図を見ると川湯温泉のそばに川湯野営場というのがある。オーソドックスな「野営場」という呼び方が気に入った。第2目的地は川湯野営場に決定!

静峡
 169号は国道311号との分岐を過ぎてから急に国道とは思えない程狭くなり、渓谷沿いを控えめに走る。
 静峡は途中にある名勝の一つで遊覧船がでている。観光客は私だけだった。
国道169号線の素晴らしいビューポイントを発見!(名称不明)
 静峡入り口の橋の上です。深い不快緑の谷。橋の上から見下ろすと、まるで空から森を眺めているみたい。感動しました。 樹冠を上空からじっくり観察できるので、森好きの人にとっては絶好のポイント。でも ここも例によって誰もいなかった(なぜか私が感動する場所は誰もいない・・・なぜ?)。

道路標識に直進「168号十津川」とある。素直に直進するが、道は急に狭くなってしまった。おかしいなと思いつつ、ひたすら登ると玉置神社というところにでた。地図で探すと、標高1000mを越えている。やっぱり国道から外れていた・・・。玉置神社は狩野派の屏風絵があったりして有名なところらしいが、そろそろ夕方なので、拝観はまたの機会ということにして、急いで引き返す。

それにしても、紀伊半島の県道クラスのくねくね度は半端じゃない。県道だけならともかく、国道でも凄い酷道が結構ある。1時間ほど走っても人の気配の感じられない林道のような道が国道になっていたりするのだから恐ろしい。今回はそんな道を避けようと思っていたのだが、はまってしまった。
169号に戻っても1.5〜2車線の、国道らしからぬ道。でも、まあ先ほどの県道(林道?)に比べたら走りやすい。途中でバスに追いついてしまって、この先、黒煙を浴びつつ延々とバスの後ろを走るのかと思うと、一瞬気が遠くなったが、親切にも譲ってくれたので、しばらくワインディングを快適に走る。 国道168号にでて右折し、10キロほど走ると本宮町の川湯温泉に到着。

 川沿いに数百台の車が止っている。広い河原にオートキャンパーが大量発生していて賑やかそう。看板をみると、川湯野営場とあった。野営場という名前から、もっと質素な物を想像していたのだが・・・。、一人旅の身としてはちょっとひいてしまう。

 野営するときの鉄則は暗くなる前に場所を確保してテントを張っておくこと。テントさえ張ってしまえばこっちのもので、安心して出かけることが出来る。時計をみると4時半過ぎ。早くテントを張りたかったので、多少うるさいのは覚悟して受付をすませる。

川湯野営場木霊の里
混んでいたが芝生の上にテントを張ることができた。雨だがテントの中は快適。うれしい。利用料+駐車料で1100円。一人旅のツーリストにとってはちょっと高いが、よく管理されていることを考えると妥当な値段だと思う。
 テントの設営が終わったら温泉だ。川湯温泉は河原に温泉が出ることで有名で、実際、川に浸かっている人が10人ほどいた。女性の方も水着着用で入浴している。そのおかげで、男といえど素っ裸ではいるわけにはいかない雰囲気がして、逆にひいてしまう。まあ、私自身はそれほどワイルド感は求めない方なので、川への入浴はあきらめて、近くにある渡瀬温泉に向かう。
渡瀬温泉
 西日本最大級の露天風呂というふれこみだ。それほど巨大というわけではないが、さすがに湯船の混雑度は低く、ゆったり、のんびりつかることが出来た。湯は重曹泉で肌がすべすべになるのが特徴。結構暖まる感じ。山歩きのあと筋肉痛にならなかったのは、この温泉のおかげだと思う。ポイント高し。

 温泉のあとは渡瀬温泉から東へ数百メートル程のところにあるお食事処で夕食を頂く。川を見渡せる抜群のロケーションにきれいな店内。奮発して、熊の牛すき焼き定食1300円也。以外にも(失礼)とても美味しかった。値段を考えると大当たりだ。ふんぱつして旅館に泊まり夕食を頂いているみたいで、ちょっと幸せな気分。俺って安上がりなやつだなぁー。
 でも広い店内に客は私一人だけ。GW真っ最中の夕暮れ時にこれではと、人ごとながら心配になる。

 テントに戻り、新調したばかりの暖かいシュラフにくるまると、そのまま落ちるように眠ってしまった。 

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