ミニレポート

R299の枝道、大上峠とか

〜国道299号線 麦草峠、十国峠、大上林道、塩の沢トンネル〜

訪問日:2008年6月中旬 掲載日6月26日

今回はR299十国峠周辺の幾つかの道を訪ねてみました。さほどトピックスはありませんが、道路状況を知りたいという方が読む事を念頭に、LTCにしては詳細なレポにしてみました。その分、冗長でテンポの悪いレポ(有り体に言って面白みに欠けるかも)となるかもしれませんが、ご容赦頂きたいと思います。
ではスタート!

★★★


1.5車線は乗用車が減速してすれ違える程度、1.4や1.2はそれより狭い道、
1車線は車一台通るのがやっとの道で有ることを表しています。
管理人の主観による感覚的な評価ですので、正確なものではありません。参考までに・・・。

関東山地越えの道というと、一般的にはR299十国峠、県道124号ぶどう峠、中津川林道をあげる事が出来るでしょう。中津川林道はダートなので、オフローダーには嬉しい道ですが、オン車には少々酷です。

舗装路は十国峠とぶどう峠越えの二本だけと思っていたのですが、マップルを眺めていて、もう一本「大上林道」が「全線舗装」と記されているのに気付きました。知らなかった・・・どんな道なのか?行ってみることにしました。

R299メルヘン街道麦草峠越え  
梅雨空の合間を縫って出撃、蓼科から麦草峠を目指します。
国道299号線で麦草峠越え。ワインディングこそ楽しいものの、森の中で視界は効かず、標高2127メートルという割には大した感動は無い道かも。

実は北八ヶ岳は少し歩かないとイマイチなんですねー。2時間程ハイキングすると、腰を抜かす程の絶景が広がっているのですが・・・

今日は道路探索が目的なので、通過して先を急ぎます。

麦草峠の下り。

前方に見えるのは関東山地の御座山(おぐらさん←って読めない・・・2112m)です。南相木村からぶどう峠へ向かう途中に、右側に見える凄い形の岩山がアレなのですが、遠方からだと穏やかに見えますね。

八千穂高原道路(仮称)  
R299と県道480号松原湖線(両方二車線快走路)の中間にもう一本、二車線快走路があると聞いて、初めて走ってみました。

結構立派な道です。

八千穂高原を抜け、タイトコーナーも交えて降りていきます。

しかしながら佐久に行くならR299、野辺山に行くなら県道480号線を通れば済む訳で、存在意義に乏しい道は通行量も極く僅か。気持ちよく走れる道でした。走り慣れた場所でも、探せばあるものですねー。

麓近くでR299に合流します。距離と時間はR299より早いかも。

写真はUターンして撮影したR299登り途中にある分岐の様子。左折すると八千穂高原道路(仮称)な訳ですが、この状況なら普通は真っ直ぐ行ってしまいますよね。

八千穂高原自然園、駒出池キャンプ場の看板が高原道路の目印となります。
R299から大上峠へ  
一旦R141を経由し、R299で十国峠(埼玉)方面へと向かいます。近年改良著しく、峠の手前までは幅広2車線快走路なのですが、
やっぱり通行止看板が有りました。4t車以上ということなので、バイクで通る分には問題なさそうです。工事区間が泥濘路でなければ良いのですが・・・。(帰りに通ります)
大上林道 大上峠  
古谷ダムサイドの橋の手前に、大上林道への分岐がありました。
一応控えめな看板があります。群馬県の「なんもく村自然公園」まであと5km。割と近いですね。
大上林道へ突入。恐らく開通当初は1.5車線程度の割と走りやすい感じの道だったと思われますが、両側から森に攻められて、実質1.2車線程度の道となっています。年に1回程度行われるであろう草刈り後はマアマア走り易い道となるでしょう。
大上峠に到着。長野県から群馬県に入ります。峠道としては険しさも無く、ここまではあっけなく着きます。
峠にある自然樹木園。林道ですが観光ルートの役割も担っているようです。もっとも、この日は里まで一台も車に出会いませんでした。
峠を越えると景色は一変、裏妙義〜荒船山山系特有の険しい浸食を受けた地形が広がるのですが・・・
森の中を通るので、残念ながら景色が見える場所はほとんど有りません。うーん、イマイチ。

崩落が危ぶまれる道を淡々と走るのみ。

崖の上を見上げると・・・

次の台風で通行止めになりそうです。関東山地を抜ける道は、どれも貧弱ですね。

南牧村自然公園に到着。スゲー立派な建物が並びます。既に営業時間外で誰も居ませんでした。
1.4車線位の道を延々と下り、谷底に到達。岩山の底を縫って走ります。変な道だ・・・。
谷底にも、やはり独特の地形が展開しています。
南牧村 群馬県道93号線  
大上林道だけなら、一回くらいは通ってもいいかなと、思わせる道なのですが・・・
集落のある県道108号(未開通の余地峠に通じる道)、次いで県道93号線(田口峠に通じる道)に合流すると・・・
渓谷沿いにへばりつくように集落が続きます。群馬県内どころか関東、いや日本有数の辺鄙な場所でしょう。北海道を含めても・・・。

耕作地も無さそうな山峡の地に、これだけの集落があるのが不思議ですが、二階の独特の形状から言って、おそらく養蚕で栄えたのではないかと思います。

明治〜大正期にかけて上州は養蚕の最先端地であり、生糸、絹製品は日本の輸出産業の中でダントツのトップでしたから。この谷が開けた先にあるのは、製糸工場があった富岡です。谷の先は世界と繋がっていた訳ですねぇ。

屋根の上に大釜が。製糸か製紙で用いられたものでしょうか。

歴史的経緯があって人家の多い県道93号線ですが、集落の中の道は気を遣うばかりで、つまりません。(民俗学に興味ある人は楽しいでしょうけど)

という訳で大上林道はあまり使えない道かも。そういえば自分が田口峠を通らないのも、ヘアピン区間のハードさよりも、意外なほどの集落の多さが理由です。

田口峠方面は通行止めでした。道の真ん中に何か動く物体が・・・。
ウリ坊でした。(地元の人は猪被害が多くて困っているようですが)
途中にある蝉の渓谷。
線ヶ滝  
ツーリングマップルで「一見の価値有り」と記されていたので、線ヶ滝を訪れてみました。

狭く長い道を通って辿り着き、遊歩道を3分ほど降りると・・・滝が見えてきました。かなり大きくて、コンデジでは画面に収まりません。

 

落差35メートル。なかなか面白い地形の場所で、滝も迫力があり、確かに一見の価値はあるかも。(何回も訪れる程ではない、という意味でもありますが・・・)
滝よりもインパクトがあった?のは、遊歩道の螺旋階段です。

凄く危険な香りが・・・

ヒョェー、あんな階段を降りるのかよ!楽しそう!

と、びびりながら近づくと、立入禁止でした。
立入禁止で、ちょっと残念なような、安心したような・・・。

後でぐぐってみると、3,4年前位までは使われていたようです。(読者の方で、歩いた事のある方も居ると思います)

フラッシュ発光で撮影した螺旋階段。いったい荷重をどの部材で受けているのか?不思議な構造ですね(笑)。

公共の展望台って丈夫に作るのが普通ですが、これは各パーツが細すぎ。傾いていますし、錆びも進行していますし。フレームが細いだけに、錆の影響も受けやすいでしょう。大勢で乗ったら崩れそうです。

実は行ってみようか一瞬迷いましたが、台がゆっくり倒れていく画面が頭に浮かんで、止めにしました。

右に傾いているのに、倒れ止めのワイヤーが右側からしか張られていないし。

塩之沢トンネル  
数年前に開通したふるさと林道塩之沢トンネルを抜けて、埼玉県上野村に向かいます。立派な長大トンネルです。休日は行楽客がそこそこ居ますが、平日はガラ空き。
国道299号線十国峠  
R299で十国峠へ。

大昔、ダート時代にカプチーノで泣きながら通ったなぁ。あの時は、まさか国道が未舗装路とは・・・。

狭い!暗い!崩れそう!

ただ、4年ほど前に舗装して再開通したばかりなので、路面状態は良好です。二輪で空いている時間帯なら、マアマアかも。

言われなくても、大型車通行不能です。

この日は一台も他の車両を見ませんでしたが、国道指定されているだけに、行楽シーズンの休日昼間は結構交通量が多くなります。管理人としては、平日か休日の早朝夕方以外は、走りたくない道です。あと、夏にオホーツク高気圧から湿った東風が入る時は夕立が多いので注意が必要。

十国峠手前で矢弓沢林道に合流します。

管理人的には、関東山地周辺の舗装路では矢弓沢林道が一番好きな道です。入口が判りにくいのですが、それだけに隠れた良路という感じが自分好みです。今回は通りませんけど。

矢弓沢林道は幅員1.5車線で走りやすく、尾根筋を走るので景色も良く、国道299号よりずっと快適な道な道だったのですが・・・、最近は一寸荒れ気味の事が多いかな。

やはり国道と林道では道路の「格」が別次元。国道も再開通したことですし、今後はさらに荒れていってしまうかもしれません。

歴史を辿れば、旧十国峠街道は矢弓沢線沿いに有ったようです。こちらを国道扱いしてくれれば良かったと思うのですが・・・

十国峠には立派な展望台があります。
関東山地〜高崎方面?の眺め。
展望台から見下ろすR299。崩落区間の工事はほとんど終了しており、通行に支障はありませんでした。

この後は佐久町の本屋と望月町の24時間営業の西友で買い物して帰りました。

あとがき  
関東にお住まいの方で、中央道や上信越道、R20やR254に飽きたという方は、たまにはこんな変わったルートも良いかもしれません。

R299十国峠 VS 県道124号ぶどう峠ですが、ぶどう峠の方が景色も開け、極端な狭路もなく、今まではお勧めでした。・・・というのも、十数年ほど前、整備舗装完了直後のぶどう峠は、かなり良かったのです。ただ、近年通った限りでは路肩の木が生長し、路面も荒れ気味で、快適な道では無くなって来ているように感じます。つか、通るたびにボロくなっているような。今年は長期に渡って災害通行止めが続いていますし。今後はR299の方が走り易い状況になっていく可能性があるかもしれません。

なお遠方にお住まいで、信州に初めてツーリングなさる方にお話しておくと、今回の道での信州入りはお勧めではありません。それは時間ばかりかかって勿体ないからです。初心者の方の場合、信州入りの区間は高速道路で時間短縮を図り、その分、信州に入ってからのダイナミックな自然と道を堪能するのがお勧めです。一応念のため。

ではでは、次のレポでお会いしましょう。

(補足)2008年6/27現在の長野県の情報、JARTIC長野県群馬県によると、

・R299上野村楢原付近通行止、迂回路が矢弓沢林道に指定(26日は通れたけど・・・)

・上野小海線ぶどう峠9月30日迄全面通行止。

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