ツーリングレポート

しまなみ海道ツーリング PART3

〜瀬戸内の6島(+2島)全部を巡ってみる〜

訪問日:2009年2月上旬 掲載日:2009年2月12日

四番目の島 大三島 1日目  
多々羅大橋を渡って大三島に向かいました。主塔の高さが印象的です。
大三島ICを降りてすぐの所に道の駅「多々羅しまなみ公園」があります。
道の駅から多々羅大橋を眺める事が出来ました。1999年完成、センタースパン890m世界第二位の斜張橋です。(2008年まで世界最長だった)

最近の長大橋はこの形が多いですね。調べてみると2000年以降の国内の長大橋のほとんどが斜張橋になっています。

斜張橋はつり橋と違ってケーブルエンドを固定する巨大なアンカーが不要です。最長クラスだとまだつり橋しかありませんが(明石海峡大橋が世界最長の吊り橋でセンタースパン1991m)、最近の長大橋は斜張橋が主流になってきているようです。コンピューターによる構造解析の進歩が斜張橋の長大化を可能にしているようです。

多々羅大橋は当初つり橋で計画され、途中で斜張橋に変更されたそうです。近年の技術進歩を象徴する橋と言えるでしょう。

つり橋と斜張橋を比べてみました  
つり橋

斜張橋

因島大橋(橋長さ1270m、センタースパン770m、s58)

吊り橋です。その名の通りケーブルを渡してつっています。写真右側にケーブルを固定する巨大なアンカレイジが見えます。超長大橋に向いています。明石海峡大橋がずば抜けてでかいです。

因島大橋、大三島橋、大島大橋

多々羅大橋(橋長さ1480m、センタースパン890m、h11)

斜張橋。ヤジロベエのような形でバランスをとって立っています。力学的に閉じた形なので巨大アンカー不要なのがメリットでしょう。中クラスの長大橋なら吊り橋よりコスト安なようです。あまり橋が長くなると主塔が高くなってしまい、コストが上がってしまう模様。デザイン的にも美しく、最近の主流です。

尾道大橋(1968、一般道)、新尾道大橋、生口橋、多々羅大橋

道の駅から少し登ると展望台があります。素晴らしい景色。

この日は多々羅キャンプ場に泊まることにしました。受付は道の駅内のインフォメーションセンターです。センターの営業時間内に受付を済ます必要があります。(盛キャンプ場も同様)。料金はテント一張り千円+一人料金300円=合計1300円でした。

多々羅大橋の下なので五月蝿いかと思いましたが、音が上に抜けるせいか、さほどではありませんでした。

キャンプ場の入口にコンビニ、1km弱のところに多々羅温泉、バイクで数分のところにAコープがあり、便利なキャンプ場でした。
大三島 2日目  
翌朝、大三島を時計回りに回ってみることにしました。東岸〜南岸は1.5〜2車線の快走路!
広狭混在ですが、極端に狭い部分は無く、海を見ながらの気持ちいいワインディングが続きます。

時々のどかな漁村、農村を通過します。大三島は農業と漁業主体の島なようです。住宅地や工場が目立つ向島や因島とは対照的。
大山祇神社  
大山祇神社は日本総鎮守とも称される由緒ある神社です。大木に囲まれた境内は清々しく、いい感じ。
樹齢2600年という楠。神社の歴史を感じさせます。
祭神のオオヤマツミはイザナギとイザナミの子です。神社の由緒としてはwikipeなどによると、推古天皇2年(594年)摂津国三島江(現大阪府)からこの地に移されたとするのが一般的であるといいます。

最初にこの神社の存在を知ったとき、なぜの交通の便の悪い田舎の島に、由緒ある神社があるのだろう?と不思議に思いました。

でも、よく考えれば古代において瀬戸内は日本の交通の要だったハズです。陸路より海路の方が効率的ですからね。

大和朝廷が瀬戸内の覇権を確立していく過程に大山祇神社が深く関わっていた(大和朝廷の拠点だった)と考えるのは、不自然な事ではないと思うわけです。歴史好きの中には神代の瀬戸内統一の拠として大山祇神社を捉える向きすらあるようです。いずれにしろ歴史上重要な神社と言えるでしょう。

裏に回ると、原始林の社叢の中に、人知れず大木が聳えていました。
ところで、大山祇神社のもう一つの特徴は、大量の国宝・重文を収蔵していることです。宝物館には源義経、源頼朝、平重盛など名だたる歴史上の人物が奉納した武具が展示されているそうです。私は入場料千円ということで断念しましたが。

四番目の島 大三島 まとめ

道の駅からの多々羅大橋の眺めが良い。観光客も一番多い様子。
海沿いの道は広狭混在ながら変化があって楽しく、六島のうち一つだけ一周するなら、ここがオススメ。
大山祇神社はしまなみ観光の中心的存在だが、やはりお勧め出来る。道の駅駐車、駐輪場は無料。


五番目の島 伯方島  
大三島橋で伯方島へ渡りました。伯方の塩で有名ですね。
外周路はほぼ二車線路で、普通でした。

展望台としては開山公園に大型のものがあり、そこまでの道も1.5車線で整備されていましたが、天候が悪かったので展望台を見上げながら登りませんでした。写真は展望台下の駐車場から。

宝股山は車道極狭草茫々かつ徒歩なので途中で断念。これは登山目的で行く所でした。

南岸は船折瀬戸と呼ばれる潮流が見事で展望地も用意されていましたが、走りながら眺めただけなので写真はありません。

・・・スミマセン、同じ様な景色が続くので、飽きてきた(苦笑)


五番目の島 伯方島まとめ

製塩と造船の島。周回道路はほぼ二車線。
開山公園までは1.5車線舗装路が通じている。駐車場から徒歩2分位の木製大型展望台からは360度の展望が開けるらしい。
船折瀬戸の潮流は川のようにすさまじい。
景色の良い海沿いの道の駅で塩ソフトが食べられる(寒かったので人が食べてるのを見ただけw)。すぐ近くにホームセンターコーナンの小型店舗がある。


六番目の島 大島  
伯方、大島大橋を使って大島に渡りました。
外周道路を時計方向に回り始めます。最初は良かったのですが、県道337号線に入ると・・・ちょっ、狭すぎw
この後も舗装路ながら危うげな道が延々続きます。
ツーリングマップルではお勧め道路になっていますが、わざわざ時間をかけて回るほどの道では無いと思います。人っ子一人居ない山道で落石に気を遣うとか、集落内の道で飛び出しに気を遣うとか、そんな場面が多いです。(自分的な理想は人家が無くて道が良い、次点が人家が無くて道が極悪路ではない。)
大島で重要なのは一周することではなく、亀老山展望台に行くことです(断言)。林道亀老山線を登っていきます。
亀老山展望公園駐車場に到着。無料です。
展望台は世界的に著名な建築家の手になるもので、鉄筋コンクリートにウッドデッキを組み合わせたモダンな構造。

いったん山体に埋もれた回廊に入り、階段を登ると、突如山頂に立って視界が開けるという、劇的な演出が待っている

・・・訳ですが、

なんで雨ざらしの構造体に木を使うかな〜。木とコンクリって全然寿命が違うじゃん。

億単位の税金を投入するのですし、将来の自治体財政悪化は目に見えているのですから、メンテナンス最小限で耐久する構造を目指して欲しいものです。まあ超有名建築家の方がそんなことを優先して考える訳ありませんが・・・。都庁なんかもそういう傾向ですよね。

それはともかく、階段を登ると・・・
広大な視界が広がりました。

午後になって四国側の展望が逆光になってしまったのが残念(独特のキラキラ光る海を見ることは出来ましたが)。

ここは夕景で有名な展望台ですが、自分的には午前中に来て順光状態で眺めてみたいと思いました。

島全体を見渡す事も出来ます。しまなみ海道でも一押しの展望所だと思います。
周回路に降りて、西海岸を北上していきます。来島大橋が雄大です。3つの吊り橋で構成されているのが判ります。予算の都合で通りませんでしたが・・・。四国行きて〜(笑)。
大島は一番田舎な島のようでしたが、やはり造船所があります。
補修中のようです。船って巨大です。
大島にはもう一つ「カレイ山展望台」というのがあります。駐車場から数分歩かなければならないのが、少し面倒でしょうか。

第六番目 大島のまとめ

亀老山展望公園が素晴らしい。外周道路は一部狭く、狭路マニア以外にはあまりお勧めでない。


西瀬戸道を戻る  
もう一泊して大三島から本州へフェリーで渡るつもりでしたが、天気予報を見ると明日の滋賀県は曇りのち雨または雪・・・、名神高速で雪に降られたら困ります。それに明日は平日なので、橋の料金も高くなってしまいます。

本日中に帰ることにしました。

西瀬戸道を一気に戻ります。対面通行区間が多いので、移動の為の高速道路としてはイマイチかもしれません。

生口島の山に緑はありませんでした。山火事で焼けてしまったようです。

向島〜尾道渡船  
向島から尾道までは渡船を利用することにしました。航路は5つほどあるそうですが、とりあえず目に付いた福本渡船を利用。大林監督のふたりのロケ地だそうです。

港には自転車が所狭しと並んでいました。自転車で来て、船で渡る人が多いようです。生活に溶け込んでいますね。

バイクを脇に停めて、出発進行。料金は80円。船の中で払います。小銭を用意しておいた方が良さそうです。
福本渡船料金

大人60円、自転車10円、バイク自動二輪20円、車両(運転手一人分込み)3〜4m90円、4〜5m100円

安い〜、昭和30年代みたいです。

尾道までは5分程度。電車で一駅分って感じですが、なにしろバイクごと乗れて80円ですから、電車より安くて便利だったりします。
尾道側のフェリー乗り場。すぐ脇は国道2号線(バイパスでない方)です。受付とかは無くて、とりあえず国道を走ってきて、そのまま船に走り込むといった乗車方法になります。

写真を撮っていたら、出航間際に制服姿の女子高生が駆け込んで行って、大林映画のワンシーンみたいで萌え死ぬかと思いましたw。

しばらく国道2号線を走ります。大型のクレーンが延々と並んでいます。尾道も造船の街ですね。
帰路へ  
福山西ICから山陽道に乗ります。あとは一気に走るだけ。
日曜夕方なので、中国道で少し渋滞していました。三木SAで休憩しながら渋滞解消待ち。8時頃に渋滞が解消したので再スタート。
行きと同じく、新名神経由で帰りました。さすがに鈴鹿山脈を越えるあたりは寒かったです。使い捨てカイロ10個投入で対処。高速代ケチって深夜に一号で箱根越えしたのは内緒です。

全島の概略図。緑地で示したのは管理人的に特にお勧めのところです。


さて、いかがだったでしょうか、しまなみ海道の旅。

旅に出てその地に立ってみないと、実感できない事が多々あります。瀬戸内の覇権の重要性、造船で栄華を誇ったことetc。(ちなみに、長文ですが「しまなみ海道で歴史を考える」を書いてみました。正確とは言えませんが、歴史に興味をもっていただけると嬉しいです)

自分にとって初めての地だけに、いろいろな発見が多くて楽しかったのですが、その分レポがごちゃごちゃと纏まりの無い物になってしまいました。すみません。

実は3日目位からライディング・ハイモードに入っていたので、四国経由で九州まで行ってしまいたかったのですが、予算その他の関係で無理でした。来年の冬は何とか九州を目指したいと思います。では次の旅でお会いしましょう。

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