ツーリングレポート

北海道ツーリング PART6

日高〜積丹半島〜ニセコパノラマライン〜大沼〜函館(5、6日目)

訪問日:2012年6月2日〜6月9日  掲載日2013年12月26日

静内〜道央自動車道〜札樽自動車道〜小樽  
朝の内は晴れていた空も霧雨に変わったので、高速道路で天候の回復が早そうな積丹半島向かうことにしました。札幌辺りは土砂降りでしたが、小樽ICを降りるころには雨も上がっていました。
積丹半島  
小樽や余市市街は渋滞中でしたが、
余市の街中を抜けると少しずつ交通量が減っていきました。雨予報だった天候も回復基調。

豊浜トンネルは公園化されていました。そこにあった観光地図看板です。
道道913に寄り道。海岸線沿いですが山深くていい道です。
積丹岬に向かおうとしたら遊歩道が崩落通行止めで途中までしか行けませんでした。この日は曇りでしたが、快晴なら綺麗な景色になるでしょう。ただ神威岬のほうが景色は凄いかなと思います。
海沿いを走って神威岬へ。
神威岬  
神威岬にやってきました。駐車場までの道路は夜間閉鎖されているとのことで注意が必要です(朝や夕方来て入れない人も居るようです)。
今回は崩落で先端までは行けなくなっていましたが、駐車場から13分のビューポイントまで歩いてみることにしました。
うへぇー、こんなに歩くのかよと思ってしまいましたが・・・

丘の上に登ると、ユニークな景色が広がりました。
岬は勿論、とりまく景色もユニークです。
薄曇りなのが残念でしたが、快晴なら更に素晴らしい景色であることは想像に難くありません。

日本には綺麗な岬って星の数ほどあって、ぶっちゃけ大半はあまり代わり映えしない気がしないでもないのですが、神威岬に関しては特別なものだと思います。地形的なユニークさが効いていますね。あとは順光、かつ切り立った崖が乱反射を防ぎ海の色が鮮やかに見えるといった要因もあると思います。歩いて良かったです。

展望台に登ってみました。岬の先の神居岩が見えてきます。
薄曇りで色が沈んでしまっていますが、晴れれば絶景でしょう。

展望台から駐車場を見下ろした図。このくらい歩く感じです。

さて、岬までの遊歩道は楽しそうでしたが、残念ながら土砂崩れのため通行止めでした。
(2013年より通行可能となっているそうです。)
積丹半島  
さらに積丹半島を反時計回りに回っていきます。半島の先端辺りまで来ると人家も少なく、交通量も少なめ。観光客の車が一番多い感じでした。断崖絶壁が続きます。
半島西側は1000〜2000mクラスの長大トンネルがひたすら連続します。時々トンネルを抜けると・・・
海沿い断崖から少し離れて走る海上ハイウェイとなります。
長大トンネルと巨大橋梁の繰り返し。どんだけ道路に投資してるんだよと思いながら横に目をやると・・・

旧道発見!

昔はこんな道を通っていたのですね。
岩をくり抜いた旧道の向こうには、もう一本新し目の旧道が走っていました。
まだ放棄されたばかりの旧道。一つ前の旧道は、海岸線より少し内側を短いトンネルで繋いでいく道だったようです。ただ、これだと豊浜トンネル同様、抗口が崩落にやられるリスクが高くなってしまいます。
そこで、海の上を大きく迂回する橋と、山側の深い部分を通る長大トンネルの組み合わせにR236は変わっていったのでしょう。
積丹半島では道の付け替えが頻繁に行われてきたようで放棄された旧道があちこちに見られます。険しい地形に豊浜トンネル等の事故もあるとはいえ、ピークで年額一兆円越えてたという過去の北海道開発事業費(国費:国の対北海道開発予算がそれだけあった。未開の北海道を開拓しなければならないという理由で(←時代遅れだが)。ここ数年で大幅減額され半分位になってるが、沖縄を除く他地方から見ると公共事業費は超優遇されている。北海道の道が立派な理由。)の潤沢さを伺わせます。低迷を続ける北海道経済を考えると、過疎地域に何兆円単位で公共事業しても、人口は減るばかりなんだな思いながら今回の北海道ツーでは走っていました。
ニセコパノラマライン  
岩内から県道66号線ニセコパノラマラインに入りました。実はニセコパノラマラインを走るのは初めて。私にとっては有名どころで走ったことがない唯一の道です。
標高は1200m前後ですが、6月だというのに大量に残る山頂の積雪が、日本海側の多雪地帯であることを思い起こさせてくれます。しかし久々のコーナリングが楽しいwww
登るにつれて高所感も出てきて、本州のワインディングロードに近い雰囲気。こ、これは(私にとって)最後のビックネーム(なスカイライン)では!

曇天なのが残念ですが、快晴なら素晴らしい景色だと思います。
ただ天気が優れなかった分、独占状態で楽しく走る事が出来ました。

ニセコの山々をぐるぐると走り回ってから、倶知安の旭ヶ丘公園に降りてきました。正面に見えるのは羊蹄山です。
旭ヶ丘公園の一角にあるキャンプ場に宿営しました。滞在している人も多く、寂しくないのが良かったです。温泉も街もバイクで数分程度と便利なキャンプ場でした。湿地っぽくて蚊が多いのと、平地が狭いのは欠点。
翌朝は羊蹄山を一周しましたが、景色は良いものの道の線形は大雑把すぎて退屈。ニセコの山道の方が地形も線形も景色も複雑で、走るのには楽しい道でした。写真は道道268新見峠。
新見峠-ニセコパノラマライン経由で山越えして日本海側に戻ります。天気がイマイチでしたので、また訪れたいエリアですね。
R229で日本海沿いに南下していきます。
国道229号線、雷電国道、ソーランラインとも呼ばれ、道南の日本海側を延々と結ぶ長い国道です。
時折長大トンネルを挟みつつ、小規模な集落を繋いで海岸線を走ります。
交通量も少なめで、海岸線の景色も綺麗で、道も整備されては居ますが・・・とにかく長い!!
かといって人家もあるし、人里離れた辺境の地というほどでもなく、段々飽きてきました。

こ、この道は暇人向けだ!
あまりに退屈したので、丘の上に見えた展望台に登ってみました。せたな青少年旅行村というキャンプ場の中に展望台はありました。立象山展望台というそうです。  
せたな町の旧瀬棚町市街を見下ろします。人口は旧瀬棚町が2千人、せたな町全体でも9千人ほど。1970年代からだと人口は半減しています。北海道沿岸部の平均的な街といった感じでしょうか。
平野部は広大で、水も豊富で、農産資源も水産資源も畜産資源も豊富。冬の季節風こそ厳しそうですが北海道の中では温暖。高速からのアクセスも全国平均から見ればむしろ良好な市町村に入るでしょう。でも人口流出が続くあたりに、北海道地方部の悩みを見る気がします。

立象山展望台からの眺め。

せたなからは道道263で内陸に入って内浦湾(太平洋)側にサイドチェンジすることにしました。
(なお2013年に尾花岬内側を通るトンネルが開通し、日本海沿いを南下出来るようになっています。ほとんどトンネルのようですが)
結構山深くて景観も良く、悪くない道ですが、やはり何か決め手に欠ける感じがしますね。

国道5号線に出てからは、大型トラックやトレーラーが多く、退屈な幹線道路の旅が続きました。
大沼にて  

退屈な国道5号線を外れ、大沼に寄り道してみました。駒ケ岳は雲の中でしたが、さすが道南きってのメジャー観光地!湖の周回路も楽しく、景色も綺麗でした。

それにしても、この辺りまで来ると緑が濃くなってきます。道北・道東より明らかに温暖な感じ。道東や道北では中綿入りインナージャケットにカイロまで仕込んで、ほぼ都内の冬装備相当で走っていたのですが、大沼・函館の辺りはインナー極力脱いでベンチレーション全開、本州並みの服装で走っていました。

そんな濃い緑を楽しみつつ、大沼周回路を走行中、ふと、あってはならない物を見てしまった気がしました。
あれは・・・何だろう?
新幹線のようにも見えるけど、大沼に新幹線は走っていないし?
踏切を探して函館本線(砂原支線)の線路の先を見通してみると・・・確かに新幹線っぽい。けど線路上に無いし、どうなってるんだ!?
接近できそうな道を探してうろつくこと10分ほど。流山温泉パターゴルフ場の先に、その姿を捉える事ができました。行ってみましょう。

おおっ、こんなところに!
近づいてみると、確かに新幹線でした。
耐雪装備を備えた200系ですね。

森のなかから忽然と現れる様子がシュールです。

実は、ここはJR函館本線の流山温泉駅なのでした。JR北とJR東が共同開発した温泉リゾート(途中でJR東は手を引いている)で、将来の北海道新幹線のPRと観光を兼ねて設置されたもののようです。日帰り温泉やキャンプ場等もありました。駅前通りがダートなのはどうかと思いますが・・・。
なかなか面白い光景です。ただ昨年6月に撤去されてしまいました。恐らくもう解体されてしまっているでしょう。
うーん、勿体無い。自分が管理者だったらライダーハウスに仕立てて名所化を計ったりとか、やってみたかったなぁ・・・。
城岱スカイライン  
大沼からは城岱スカイラインで函館に向かいました。こちらを使うのは初めて。一体どんな道なのでしょう?
タイトコーナーが連続して東北の山道みたいな雰囲気。

ワインディングロードを登りつめると、そこには広大な牧場が広がっていました。

牧場の向こうには函館の街、函館山、そして津軽海峡が!
青々とした草をのんびりと食む牛たち。
思ったよりいい風景が広がっていました。

下りもタイトコーナーがこれでもかと続く道で、走り屋の人たちも居ました。
函館からフェリーで本州へ  
青森に到着。フェリーまで時間があったので、函館のご当地バーガーとして有名なラッキーピエロに入ってみました。店の外も中もメニューもカオスを極めていましたが・・・。
ボリュームたっぷり、ジューシーさたっぷり、濃厚さたっぷりのハンバーガーが出てきました。これがマックと同じジャンルの食べ物とは思えません。まあ日常食べるには濃厚過ぎるかもしれませんが、旅行者がお腹一杯になりたいならお勧めです。但し、かなり待たされるので注意。
津軽海峡フェリーで青森に渡ることにしました。高速船なっちゃん等を運行していた東日本フェリーが倒産、道南フェリーが事業継承し、今は改名して津軽海峡フェリーとなっています。
一日片道8便、料金750CC未満大人一人5700円(来年から値上げして約6千円)は距離を考えるとフェリーとしてはかなり割高な部類です。ちなみに自動車だと軽16000円、普通車20000円となります。
似たような距離・運行頻度の四国のジャンボフェリーが2輪ライダー込み3980円であることを考えると割高な気がします。燃料高騰等で苦しいのでしょうけどね。

ちなみに新潟-小樽の新日本海フェリーが13000円(閑散期750CC未満、大人一人料金含め)ですから、自走代(高速代やガソリン代や食費等が結構掛かる)を考えると、新潟−小樽のフェリーを使った方がC/Pはずっと高いのではと思います。
青森まで自走するにしても、道南を回らないのであれば八戸-苫小牧のシルバーフェリーの方がお得だと思います。
所要約3時間40分で青森に到着。翌朝鳥海山に寄ってから長野に帰りました。
これで6泊7日の北海道ツーリングは終了です。前半は快晴続きの絶景で最高のツーリング!!だったのが一転、SDカードエラーによる画像消滅というショックに見舞われ、しかしながら帰ってからフリーの復活ソフトでほぼ画像復活させることが出来、念願の同人誌も無事発行することが出来ました。
一週間という恐らく北海道ツーリングにしては短めな日程でしたが、十二分に濃厚な楽しい旅が出来ました。支援して頂いた皆様に感謝です。
ではまた、次の旅で!
home home予備 PART1(プロローグ)/PART2PART3PART4PART5/PART6

LONG TOURING CLUB 1999-2013 Copyright morita/LODGE MOTIVE All Rights Reserved.