道央〜道北 マイナー国道・道道ツーリング

PART2 洞爺湖〜大夕張〜R452〜深川〜天塩

 訪問日:2008年6月中旬  掲載日7月22日

洞爺湖  
洞爺湖にだけは寄ってみた。景色がいかにも洞爺湖って感じ(←何だその感想)
サミットを控え湖畔道路は警察車両のオンパレード。走っている車の6割は警察車両だった。
昭和新山。麦畑が昭和18年に隆起して出来た山だ。造山過程を記録したスケッチで有名な郵便局長の方が保護の為に土地を買い取り、現在は私有地となっている。

駐車場が有料なのと、昔訪問したことがあるので、近くまでは行かなかったが、今だに噴煙が上がっているというのは凄いなぁ。


2日目(北海道上陸初日)の行程

洞爺湖〜支笏湖  
洞爺湖から支笏湖へ向かう。
北海道とはいえ札幌から近い場所というのは、基本的に車の量が多めだ。

長い車列に付いてダラダラと走る。列の先頭は全く見えず、果てしなく先にありそう。取締も恐いので追い越しも出来ず。

ううっ、眠い・・・。

やはり、いかにも北海道らしい、車がほとんど通らないような寂道を走ってみたい。実はこれが今回のテーマなのである。先を急ごう。

と思ったものの、眠気がピークに達したので一休み。どうも人の後ろについて走っていると、運転が単調になって眠くなってしまう。

景色は綺麗なんだけどなぁ。

支笏湖から道道16号で千歳に降り、駐屯地の縁を通って千歳東ICへ。時間を稼ぐために千歳東IC〜夕張ICだけ高速に乗ってみた。さすがに全然車が走っていない。
夕張〜R452  
夕張の街の手前で右折、R452で山中に分け入ってみることにした。この先は大夕張といって、かって大規模な炭坑があった町だ。

ポツンとうち捨てられたように廃駅に佇む列車が目に入った。

昭和64年に廃止された三菱大夕張鉄道の南大夕張駅跡と、使われていた除雪車、客車である。夕張と大夕張の炭坑を結んでいた。

賑やかだったであろう夕張の古の姿を想像させる車内。

北海道は近代以降、日本でも最もその姿を変えてきた地なのだとしみじみと思う。

R452を走っていると、シューパロ湖と錆びついた三弦橋が姿を現した。三角錐の形をした珍しい橋だ。

美しい自然と真っ赤な錆色が、奇妙な調和を形作っている。先ほどの列車もこの橋を渡っていたのだろう。

炭坑があった頃の、古の繁栄の跡をたどるR452。

今は通る車も少なくなり、静かないい道・・・。

かと思いきや、頭上を大規模な高架橋が建設中だった。現在建設中の夕張シューパロダムにより水没するため、新道を建設中なのである。

国道の両脇に大夕張の原野が広がる。建物は無いのだが、地形が不自然にフラットで、どこか人工的な印象を受ける。

実は昭和30年代、この道の両側、大夕張には人口二万五千人の街があったのだ。古い地図を見ると国道の両側には沢山の町名が記載されている。栄華を誇った街も、炭坑が廃止され、住人が去り、原野に戻りつつあるのだ。都市の消滅の過程が此処に在る。

皮肉にも住人が居なくなった後に、改良が進む道路。

さて、これらの道路はどのように改良されていくのか・・・。次の写真をご覧頂こう。

写真右に写っている青いガーター橋がお判り頂けるだろうか。何をしているのかというと、恐らくカーブを直線に線形改良しているのだ。道は大して曲がってないのだが。

この手の直線化工事は北海道では非常にポピュラーな光景である。北海道の道はどんどん真っ直ぐになっていく。

道路改良が遅々として進まない長野県からすれば驚きであり羨ましくもあるが、しかし、産業誘致にも地域活性化にも役立ちそうにない、費用対効果が著しく低そうな事業は、未来への投資として有効なのだろうか・・・。

大夕張地区を過ぎるとカーブが増えてくる。本州のようなタイトコーナーこそ無いが、R=50〜100の中速コーナーが延々と続く。

かなーりゴキゲンなワインディングロードだ。

人家も無ければ 対向車もやってこない。独りぼっちでひたすら走る。そんな寂しい道だが、立派な橋がかかり、美しい風景が続く。

いいなぁ、こういう道が走りたかったんだ。

桂川で県道116と合流してから県道135と分岐するまでは、札幌〜富良野までの主要ルートと重なるため、交通量が多くなる。白バイも居るらしい。

写真は途中にある観光名所の三段滝。まあそれなり。

富良野への道が分かれると、再び交通量は減少する。ここからは割と普通の道。
ふと視線の端にディーゼル機関車が写った。一瞬走っているように見えたのだが、こんな所に鉄道なんてあったっけ?幽霊機関車?思わずドキッとして急ブレーキ。
橋の側まで近づいてみる。レールは既に無かった。・・・。
鉄橋に、ポツンと取り残されてたディーゼル機関車DD501。前後は藪で、既に線路は無い。

後で調べたところ、旧三井芦別鉄道で最後まで残ったディーゼル機関車なのだそうだ。現在は芦別市に寄贈され、夏季だけ展示しているとのこと。

まるで、橋の上だけタイムスリップしているような不思議な風景だった。

芦別〜R452〜カナディアンロード〜深川  
残念ながらR452は芦別の少し先で途切れ工事中だが、それだけに交通量は少ない。カナディアンワールドの側を通って道道4号線に出る。

道道4号線は生活道路として機能している平凡な道だった。途中、草むらにパトカーが隠れているのを発見、それなりに交通量もあるみたいだ。

さて、6月の長い日が傾き、時間が無くなってきた。焦って深川市内は無料開放されている留萌深川自動車道でショートカット。
道道867号〜道道742号〜国道239号〜国道275号  
やってきたのは道道867号線。ホロピリ湖の脇を通る美しい道だ。

これがまた、想像通りというか、想像以上の寂しい道だった。

全然対向車が来ない(笑)。

しかも相当なワインディングロード。

もう、いやというほどカーブが続く。北海道にこんなにカーブがあったのか・・・。

そんな道だが、やはり線形改良工事は着々と進行中だった。静かな山中に重機の音が響く。

どんな改良が施されているかというと・・・

写真の右側に旧道が写っているのがお判り頂けるだろうか。あれを線形改良したのが、今の道だ。

・・・って改良する必要無くね?

道道126号線に接続。おびらしべ湖を滝見大橋で渡る。通る車は居ない。
道道742号、国道239号と、ひたすら過疎ロードを繋いでいく。ツーリングマップルには「この区間牧場が一軒あるのみ」「交通量ほとんど無し、民家皆無」というコメントが掲載されていたのだが、果たしてその通りの道だった。

それにしても飽きるほどのコーナリング三昧・・・。想像以上に道もいいし。

R275に合流。多少は交通量が増えてくる。といっても2,3分に一台対向車とすれ違う程度だが。
日本最大の人造湖だが、木が生長しすぎて展望台からはほとんど見えない。
R40〜天塩川温泉 リバーサイドキャンプ場  
幹線道路であるR40に入ったところで日が暮れてきた。そろそろ泊まるところを探さなくては・・・。
ツーリングマップルで紹介されていたリバーサイドキャンプ場に今夜の宿をとることにした。見晴らしが良くて芝生の綺麗な無料のキャンプ場である。

すぐ側に天塩川温泉があり、歩いて温泉に行くことが出来て便利。泉質は特徴あるものではないがマアマア良好で、道北まで一気走りした疲れを癒す事ができた。

翌日はワインディングを延々と走ります。ってまたかよ! →PART3へ続く

追記:このルートは王道ではないマニアックルートです。メインルートに飽きた人のバリエーションルート。
もしこれから初めて北海道の道北を目指す人が居たら、このルートではなく、オロロンラインをお勧めします。あちらの方がドラマチックで初心者には絶対いいです。念のため申し添えておきます。

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